公益財団法人 白山麓僻村塾

活動の記録

2005年度[第14期]
2005年5月31日/白峰 望岳苑
アートの旅7

沖縄について

真野響子
真野響子/女優。1952年生まれ。ドラマ、映画、雑誌等様々な分野で活躍中。2002ワールドカップ日本組織委員会理事。金沢大学非常勤講師。
沖縄をはじめて意識したのは、ハワイを旅したときだった。たまたま現地の博物館を訪ねると、そこに「沖縄」のコーナーがあった。ハワイへ渡った移民の母国として紹介されていたのだ。そこで見た沖縄は、私の知っている日本と違っていた。全くの「異文化」だった。それから、沖縄について少しずつ学び始めた。すると見えてきたのは沖縄のすばらしい文化と、過酷な歴史だった。 宜野湾市の米軍普天間飛行場に食い込むようにして美術館がある。戦争と平和、生と死をテーマにした佐喜真美術館だ。この美術館は、オーナーである佐喜真道夫氏が、反戦の画家、丸木俊・丸木位里の「沖縄戦の図」を収めるために作ったものだ。基地の一部として米軍に接収されていた土地が、佐喜真氏の粘り強い交渉で取り戻され、美術館に生まれ変わった。 佐喜真氏が教えてくれたことがある。それは、「沖縄は異文化ではない。沖縄は私たちが見失った日本の息吹を、そのまま美しく残している土地なのだ」という岡本太郎の言葉だ。いま私は様々な縁で沖縄に関わり、この言葉の意味がよくわかる。これからも沖縄の歴史や文化を学んでいきたいと思う。そして後の世代に伝える努力を続けていきたい。