公益財団法人 白山麓僻村塾

活動の記録

2008年度[第17期]
2008年10月31日/白山市松任学習センター
僻村塾20周年

自然のそばで生きる

(挨拶)高橋治・
(パネリスト)
池澤夏樹・塩野米松
辻原登・山口一男・湯川豊
(司会)結城正美
(高橋)僻村塾の理念に「至高の指導者は自然である」という一節がある。人間は自然から多くのことを学び、歩く歩幅を決める。それが人間の生き方だろう。もう一度、自然と向き合い、自分の命を見つめてほしい。
(山口)かつて白峰は非常に豊かだった。120年前は今の4倍の人口があった。それを支えていたのが、「出作り」で営まれていた焼畑農耕と養蚕だった。
(辻原)植物をどう獲得するかが文化、文明の始まりだ。植物を育て、食生活を安定させる。自然のサイクルの中で生きることが、人間の基本的な生き方を作っていく。
(塩野)手道具を作る人がいなくなって手仕事がなくなり、手仕事がなくなって技が途絶えた。次世代に手仕事を譲るには、身近にある自然を維持しなければならない。
(池澤)白峰で行われていた焼畑農業は効率が良かった。山では、山菜やキノコ、川ではイワナがとれる。そうした豊かな暮らしをもう一度考えようと、僻村塾で訴えてきた。
(湯川)都市に住もうが田舎に住もうが、普遍的なものは自然しかない。人間は空気がなければ、水がなければ死ぬ。その基本的なことが忘れられているのではないか。人間にとって最終的に必要なものをもう一度考えるべきだ